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ターナー賞展@森美術館 2008.06.07


続きまして、森美術館のターナー賞展のレポ。
ターナー賞については大学のモダンアートの講義で散々勉強したので、ある程度の予備知識はありました。
でも実際に作品を見た事はなかったのでかなり期待して入場。


一言で表すなら、怒濤、とか 圧巻、とか、その類の言葉が出てくる。
押し寄せてくる意志の波。自己主張の波。
視覚だけじゃなくて、聴覚とか、(光の)知覚など、諸感覚に直接訴えかけてくる作品そのものの意志。
「モダンアートは、芸術とは何か、ということを根本的に問い直すための手段であり意思表示」みたいなことを講義で学んだ。
自分はアート全般について全く詳しくないけど、デュシャンの泉とかポロックのパフォーマンスとかが伝えたかったこと等を講義で学んで、あーなるほどーと理解はしていた。
今日出展されてたいくつかについても、作者の意図について事前に学んだことがある。
象(だっけ?)の糞のやつとか、真っ二つの牛とかね。
なるほどそういうことかーとその意図を理解するだけで終わってた。
でも正直本で読んだり教授の話を聞くだけだと、「え、わかりにくいよ」とか「わけわかんない」とか「ぶっちゃけ何がいいんだろ」とか、作品の説得力に終始疑問を覚えっぱなしだった。
こじつけなんじゃない?とかね。
でも実際にみるとパワーが違う。全然違う。
作品そのものが意志を持っていて、まるで生きているかのようだと、実際に作品を目の前にして痛感した。
そうかこれがモダンアートか。ということを身を持って体感できた。
良い経験になりました。本当に。

ひとつひとつ追って行くときりがないので、特に印象に残った作品をいくつか。
長くなりそうなんで簡潔にいきます。


・真っ二つに裂かれた牛の親子
空間的にも物理的にも真っ二つに引き裂かれた親子。
教科書で見たときも迫力満点だったけど、実際にみると本当に説得力(?)が違う!
実際に見るまでは「グロい」「気持ち悪い」とか、その手の思いが先行してたけど
実物を目の前にするとそんなのはどこかへ引っ込んでしまった。
そこに 死、がある。という事実だけで息が詰まった。
その透明な箱は、サイズがでかいこともあったけど、とにかく圧倒的な存在感を放っていて。
連れと一緒に中を通ってみた。立ち止まって、牛の「中身」を見てみた。
気持ち悪い、とかそういった思いは不思議となくて。
むしろ、これが「死」か、という。
うまく言えないけど、「牛は永遠にこのままなのかな 親子離ればなれで 自分の体すら離ればなれのまま、こうやって人々に見られ続けて・・・」
とか考えてると、そこには全く異質の 気が遠くなるような時間が流れている気がした。
いやー ぞっとした。圧倒的な力だ。

・空虚を表した黒い半球型の物体
「ヴォイドは個々に内在するもの」とかなんとか書いてあったあれ。
芸術は作者が作ったものを観る行為ではなく、観る者自身の中にあるものを再発見する行為だ、とかそういう話か。
あの暗闇には本当に吸い込まれそうになった。
壁に穴が開いているのかと思ったもん。
先の見えない空間って怖いね。
自分の中に巣食うモノも得体が知れないよ、という話か。

・点滅する照明
単純化、純粋化の末にたどりついたものは、個々の知覚そのもの・・・
光の点滅という、至極単純なものを知覚する行為。
取り払って取り払ってたどりついたのがあれだったんだね。
確かに目から鱗ではあった。

・社会の闇を映す壷
ただの絵壷ではなく、社会に対して痛烈なメッセージを発する壷たち。
とげとげしい筆致で描かれているのは目を背けたくなるような光景。
でも、それが現実なんだよね。
まさか壷に気付かされようとは。

・サイケデリックな色使いのでかいパネル
「一見ポップ」な見た目とは裏腹に、込められているのは停滞した社会に対する批判のまなざし。
前に座ってそこに映る人々の顔を見ると、まっすぐな、でもひどく冷めた目をしていて。
自分、いや自分を含む社会そのものを見透かされているような気持ちになります。
いやはや。


他にもいろいろあったけどきりがないから割愛。
制作されてからかなりの時間が経った今もなお色褪せないメッセージに、心を打たれました。


余談だけど、ターナー展とは別個の展示(でも同じ館内)でサスキア・オルドウォーバースの個展がやってたんだけど、あれは本当に魅入ってしまった。
また別の記事で取り上げようと思います。


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